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<脱 子どもの貧困>(下)「あれも、これも」の予算を 
兵庫県明石市・泉房穂市長
(東京新聞 2017年8月10日)

 子どもを核とした町づくりをしている。全ての子どもに対し、行政と地域が連携し、みんなで応援するというコンセプトだ。貧しい家庭の子どもだけでなく、誰ひとり見捨てずに支える。
 親の収入で線を引いて支援をすると、こぼれ落ちてしまう子がいたり、どこで線引きをするかで議論が複雑化したりする。明石市は中学生までの医療費と第二子以降の保育料を無料にしているが所得制限はしていない。

 相談のチャンスが失われると、問題は長引きやすい。支援は早期に、継続的にすることが大事だ。今年一月から、市が把握した妊婦全員への面談を始めた。早くに親の困り事を知り、フォローする。また児童手当は漫然と振り込まず、乳幼児健診などで本人の健康が確認できるまでは支払わない仕組みだ。
 子ども食堂は、小学校区ごとに一カ所できるように整備している。子どもの目線に立てば、市内に一カ所程度では通えない。二〇一九年春、市内に児童相談所を設置する予定で、食堂と連携する仕組みをつくり、子どもの危機にいち早く気付ける拠点としたい。子ども食堂はブームのようだったが、これからは実際の課題に向き合っていく時期に来ている。
(続き)
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