7月15日(土)、16日(日)、全国子どもの貧困・教育支援団体協議会の定時総会と政策提言検討のための合宿勉強会(以下、合宿)を、東京で開催しました。
北海道から九州まで、全国の30団体が一堂に会する貴重な機会となりました。
【プログラム】
<1日目>
1.定時総会
2.子どもの貧困対策推進議員連盟・竹谷とし子議員からのご挨拶
3.パネルディスカッション
①教育支援における具体的な指導方法について
②教育支援における人材の育成方法について
③教育支援における多様なアプローチ方法について
4.内閣府からのご講話
<2日目>
1 子どもの貧困対策活動に関する調査結果の報告
2. 子どもの貧困対策推進議員連盟・田村智子議員からのご挨拶
3. 教育支援のためのICTの利活用について
4. 政策提言に向けてのワークショップ
<1日目>
1. 定時総会
弊会代表幹事・青砥による冒頭挨拶から始まった定時総会では、全ての議案が承認され、新年度に向け新たなスタートを切ることができました。
2. 子どもの貧困対策推進議員連盟・竹谷とし子議員からのご挨拶
子どもの貧困対策推進議員連盟から竹谷とし子議員に、お越しいただきました。
《今年度から始まった給付型奨学金》や《生活保護世帯における大学進学時の世帯分離の廃止》などについて、お話をいただきました。
3. パネルディスカッション
(1)教育支援における具体的な指導方法について
<パネリスト>
●NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事 青砥氏
●NPO法人Learning for All代表理事 李氏
●NPO法人カタリバ 堀井氏
単なる学習塾とは違い、子どもたちの自己肯定感を向上させることを考えながら、教えるための工夫やボランティアへの研修方法、ICTを利活用した指導についての話がありました。
受益者であった子どもたちが支援者となって戻ってくるという事例の紹介もあり、こうした活動が良い循環を生み出していることを実感できるお話もありました。
また、教材について、各団体でも独自の開発が進んでいるとともに、よりベーシックな教材の必要性が語られました。
NPO法人Learning for All代表理事 李氏
2.教育支援における人材の育成方法について
<パネリスト>
●NPO法人ブレーンヒューマニティー理事長 能島氏
●NPO法人アスイク代表理事 大橋氏
●認定NPO法人3keys代表理事 森山氏
各団体の人材育成方法についての紹介があり、ボランティアの意欲とスキルを上げるための工夫などをお話いただきました。人材育成のカギを握るのは権限委譲だということも明確になりました。現場の苦労が伺い知れ、それを乗り越えてきた経験談にはとても説得力がありました。
NPO法人ブレーンヒューマニティー理事長 能島氏
NPO法人アスイク代表理事 大橋氏
3.教育支援における多様なアプローチ方法について
<パネリスト>
●NPO法人キッズドア理事長 渡辺氏
●公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン代表理事 今井氏
●NPO法人TEDIC代表理事 門馬氏
地域自治体と連携しながら、いかにして支援を必要としている子どもたちに支援を届けるかについて、それぞれの団体の地道な活動を紹介してもらいました。
どのテーマについても、制限時間いっぱいまで活発な質問が出され、参加者の関心の高さがわかりました。
1日目最後のプログラムである、内閣府からのご講話では、内閣府における子どもの貧困問題解決に向けた取り組みについてのお話を聞くことができました。
普段はなかなか顔を合わせる機会がないメンバー同士、率直な意見交換ができた場となりました。
<2日目>
2日目は、NPO法人さいたまユースサポートネットが昨年度実施した「子どもの学習支援事業の効果的な異分野連携と事業の効果検証に関する調査研究事業」についての調査結果報告から始まりました。学習支援に関する地域差の現状、利用者の状況、運営の問題点などを青砥氏より短時間でわかりやすくご説明いただきました。
また、1日目に引き続き子どもの貧困対策推進議員連盟から田村智子議員にお越しいただきご挨拶をいただきました。
さらに弊会の協力団体でもある、ICT CONNECT21の片岡氏より「教育支援のためのICTの利活用について」のお話を伺うことができました。
最後には、参加団体を6つのグループに分けて、現状直面している課題の整理と、今後、さらなる教育支援活動の推進のために必要となる施策について話し合い、政策提言のインプットとしても重要となるワークショップを行いました。どこの団体も、資金調達や人材確保、行政との連携方法など、共通した課題があり、それぞれの地域や団体の状況など、個々の観点でのディスカッションは非常に有意義なものとなりました。
弊会にとって、合宿での定時総会・勉強会は初めての試みでしたが、終了後のアンケートでは参加者から高い評価をいただきました。
今回の勉強会で培った人脈や、得た知識などを持ち帰っていただき、各団体での活動がより充実したものになることを期待しています。