記事クリップ

「可視化」を拒む公教育が、貧困連鎖を助長する
(ダイヤモンド・オンライン 2018年2月25日)

 大阪府箕面(みのお)市では、「公教育改革」が進んでいる。教育委員の過半数を公募することで注目を集める箕面市だが、特筆すべきは、教育現場で“タブー”となりがちな「数値」をもとにした改善だ。生徒の学力の経年変化を追い、校長が現場の教師を指導する際にも数値を根拠にする。こうした取り組みの結果として生徒の学力を引き上げている。この箕面市の取り組みは、公教育のクオリティを飛躍的に高める可能性がある。

 貧困家庭の子どもは貧困に陥りやすいという、いわゆる「貧困連鎖」が日本ならず世界的にも問題視されているが、これを断ち切るためにも公教育の果たす役割は非常に大きい。というのも、私立小中学校の生徒数は全国で31万人[*1]、それに対して、公立小中学校の生徒数は全国で約940万人[*1]と、公立小中学校の生徒数は全体の約97%にのぼるからだ。さらに言うと、貧困家庭の子どもの多くは公立学校に通うことになるため、この人数差以上に公教育にはその責任が問われる。