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<川崎市長選 150万人都市の行方>(中) 子どもの貧困 社会に伝わらぬ苦しさ
(東京新聞 2017年9月24日)

 一皿に盛られた鶏の唐揚げとサラダとご飯を、おしゃべりしながら食べる子どもたち。九月中旬のある日の夜、川崎市川崎区桜本で開かれた「子ども食堂」には、小中学生や未就学児を連れた母親らおよそ百人が、入れ代わり立ち代わり訪れた。

 地元の社会福祉法人「青丘社」が約三週間に一度のペースでこの場を設けている。中学生以上は二百円、小学生以下は百円で食事が提供された。四人掛けの机で食べていたのは、いずれも母親が外国出身の小学校中学年の女子三人。そのうちの一人は、母と姉と三人で暮らす。働く母は帰りが遅く、自分で夕食をつくることもあるという。食事は「いつも通りの味」と素っ気なかったが、「友達と一緒に食べるのは楽しい」と笑顔を見せた。
 市青少年支援室によると、市が本年度補助金を出す子ども食堂の運営団体は、青丘社など十団体。子どもの居場所づくりなどに取り組むものも含めた十七団体に、計九百三十五万円を補助している。補助金はモデル事業の位置付けで、来年度以降も継続されるのかは決まっていない。
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